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技術情報

Photolithographyフォトリソグラフィー

UVやX線などの“光”を⽤いた超微細・⾼精度の形状創製技術

フォトリソグラフィーとはフォトレジスト(感光性樹脂)に光を照射(露光)し、それを現像することにより、樹脂の型を形成する技術です。光を照射する際、フォトレジストの上にフォトマスクを被せると、フォトマスクに形成されたパターン(2次元図形)に沿った形状のフォトレジストが形成されます。フォトリソグラフィーで重要なポイントは使用する“光”と“照射技術”です。当社ではX線照射をはじめとする独自の光照射技術を用いて、他に類を見ない高精度かつシャープで、多様な形状のレジスト形成を行うことができます。

オプトニクス精密の“フォトリソグラフィー”の強み

高い寸法精度

X線等の特殊な光を用いることにより、従来のリソグラフィーでは実現できない寸法精度の優れた構造を形成することが可能です。

シャープな形状

他工法では難しい、エッジがシャープで表面が滑らかな形状を得ることができます。狭ピッチ加工も対応可能です。

3次元形状創製

独自の照射技術により、曲面形状や多段形状など、通常のリソグラフィーでは得られない形状を創製することが可能です。

レジスト形成例

パターン例1 薄壁構造

  • ■ 壁の最⼩幅:10μm
  • ■ 壁⾼さ:400μm(アスペクト⽐=400/10=40)

アスペクト⽐の⾼い壁構造が歪むことなく形成されております。また、エッジがシャープで側壁も滑らかに形成されております。

パターン例2 ピラーアレイ構造

  • ■ ピラー直径:Φ10μm
  • ■ 配列ピッチ:20μm
  • ■ ピラー⾼さ:120μm(アスペクト⽐=120/10=12)

アスペクト⽐の⾼いピラーが狭いピッチで形成されております。エッジがシャープで側壁も滑らかに形成されております。ピラーは垂直に⽴てることも、テーパー状に⽴てることも可能です。

パターン例3 半球⾯アレイ構造

  • ■ 球⾯直径:Φ20μm
  • ■ 配列ピッチ:23μm
  • ■ 球⾯⾼さ:10μm

従来のフォトリソグラフィーでは形成困難な球⾯状の形状も形成可能です。表⾯も滑らかに仕上がっております。

パターン例4 コーン状アレイ構造

  • ■ ボトム側直径:Φ500μm
  • ■ 配列ピッチ:1500μm
  • ■ コーン⾼さ:700μm

従来のフォトリソグラフィーでは形成困難な先端が尖った形状も形成可能です。

パターン例5 多段形状

  • ■ 1段⽬⾼さ:200μm
      〃先端直径:Φ100μm
  • ■ 2段⽬⾼さ:20μm
      〃先端直径:Φ20μm

凸構造の上にさらに凸構造を設けることや、凸構造の上に凹部を設けることも可能です。

Electroforming電鋳

電気化学反応を用いた金属析出技術

電鋳とは電解液中で導電性基板に電気を流し、基板上に金属を析出させていく技術です。フォトリソグラフィーで得られた基板に電鋳を行い、その後、フォトレジストを除去し、析出した金属層を基板から剥がすことにより、製品(金属薄膜)が完成します。当社では自社内で電解液を合成しており、独自の物性の金属を作り出すことが可能です。

電鋳製品例

電鋳製品例1 耐⾷性フィルター

  • ■ 材質:Ni系合⾦①
    ⽣体適合性や細胞毒性(化学的物性)に特化した材料

生体適合性があり、細胞毒性のないNi系合金を開発し、細胞用フィルターに適用しております。細胞を死滅させることなく捕捉することが可能です。

電鋳製品例2 噴霧デバイス用ノズル

  • ■ 材質:Ni系合⾦②
    耐⾷性や⽣体適合性に特化した材料

耐食性があり、生体適合性のある材料を開発し、噴霧デバイス用ノズルに適用しております。噴霧された各種液体の中に、ノズルの成分(金属イオン)が溶け込むことがなく、安心してお使いいただけます。

電鋳製品例3 プリンター関連部品

  • ■ 材質:Ni系合金③
    耐食性に特化した材料

耐食性に優れた材料を開発し、プリンター関連部品(ノズル、フィルター等)に適用しております。各種インクに対して、腐食することなく、長期的に安定したパフォーマンスを得られます。

電鋳製品例4 高弾性プローブ

  • ■ 材質:Ni系合金④
    機械的物性に特化した材料

高弾性で且つ耐久性に優れた金属を開発し、伸縮を繰り返す検査用プローブに適用しております。

電鋳製品例5 各種銅部品

  • ■ 材質:銅
    主に非磁性であることを目的とした材料

非磁性であることが求められる分野においては、銅を使った各種部品を提供しております。

電鋳製品例6 各種金部品

  • ■ 材質:金
    X線遮断性を目的とした材料

X線を用いた検査や観察等を行う分野においては、X線遮断性に優れた金が用いられるケースが多いです。また、X線リソグラフィー用のマスクにも金が用いられます。

Other Technologiesその他の技術

成膜技術(ドライ、ウェット)

  • ・ドライ成膜技術:真空蒸着、スパッタ
  • ・ウェット成膜技術:電解めっき、無電解めっき

製品表⾯に各種成膜を⾏うことによって機能性を付与することが可能です。

  • ・撥⽔性
  • ・耐⾷性
  • ・⽣体適合性
  • ・電気的絶縁性
  • ・耐摩耗性
  • ・接触(電気)抵抗軽減 等

フレーム加⼯技術

当社の製品は金属薄膜部品です。そのままでのご使用が難しい場合、フレームに組み込んだ状態で提供することも可能です。また、御支給いただくフレームや治具に張り付けることも可能ですし、当社で標準的なフレーム※を提案させていただくことも可能です。

※例:ふるい(ステンレス枠の貼付け)
  フィルター(ステンレスフレームへ貼付け)

プレス微細加工技術

先端0.020mm以下のパンチを用いて、金属薄膜に孔加工をする技術です。電鋳では実現できないステンレス等の素材にも適用できます。孔径精度も電鋳技術と同等であり、形状も滑らかです。

研磨技術

製品の厚みのばらつきを抑えたり、製品表面に生じた突起の除去を行うことが可能です。研磨による傷やバリも生じにくく、製品の品質を損なうことがありません。

最大150x150mmサイズ対応。

X線マスク製作技術

X線リソグラフィーにおいて、X線を遮断させるためのマスク(X線マスク)を製作可能です。レジストの上にこのマスクを被せてX線を照射し、現像することにより、従来のリソグラフィーでは得られないシャープな形状を得ることができます。


  • ・X線吸収体:Au(24K)
  • ・メンブレン:有機膜(可視光透過性あり)
  • ・フレーム:任意(お客様のご要望に応じて、設計・製作致します)

圧電セラミック貼付け技術

当社製電鋳メッシュ(ノズル)と圧電セラミックを貼り合わせ、噴霧素子として提供することが可能です。量産対応も行っております。供給いただく圧電セラミックへの貼り付けも可能です。

3Dプリンターでの簡易治具製作技術

3Dプリンターを活用し、電鋳製品を使用される際のハウジングやフレーム等を製作することが可能です。お客様のご要望に応じて当社が設計することも可能ですし、3Dデータをお送りいただき、成形のみ当社で行うことも可能です。材質や色については応相談。

各種評価技術

完成した製品に対し、下記の評価を社内で実施することが可能です。

  • ・機械的物性評価
  • ・金属組成分析(EDS)
  • ・液中イオン濃度分析(ICP)
  • ・反射率評価
  • ・表面粗さ測定
  • ・接触角測定 等